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ヘルスケア

1日平均1,000人の外来患者を受け入れる眼科病院の電子カルテ基盤に 「DataCore Hyperconverged Virtual SAN」を採用

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医療法人社団済安堂 井上眼科病院グループの中核病院であり東京のお茶の水にある井上 眼科病院とお茶の水・井上眼科クリニックでは、電子カルテシステムの導入にともない、データ コア・ソフトウェアの「DataCore Hyperconverged Virtual SAN」を搭載したハイパーコンバージド・インフラストラクチャによる仮想化基盤を構築。サーバー設置のスペースを大幅に削 減するとともに、ハイパフォーマンスと高い耐障害性・可用性をもった統合仮想化基盤を構築した。

導入前の課題

  • 電子カルテシステムを導入するにあたり、サーバーを院内に 設置することに決めたがスペース確保が困難だった
  • 基幹の病院情報システムとして電子カルテシステムは ハイパフォーマンスが必須で、ストレージのI/Oが ボトルネックにならないことが求められた

導入製品

DataCore Hyperconverged Virtual SAN

導入後の効果

  • ハイパーコンバージド・インフラストラクチャでの仮想化により 設置スペースを大幅に削減、サーバー設置スペースは1/3以下に
  • 仮想化基盤上でも医療業務に問題ないハイパフォーマンスを発揮、 数十万件以上のデータを格納している画像ファイリングシステムも 遅延なく稼働

井上眼科病院の設立は1881年。以来130年以上にわたり「『眼』の総合病院」として多くの患者を治療 で受け入れてきた。現在は東京(お茶の水、西葛西)、埼玉(大宮)、北海道(札幌)にあわせて5つの施設で、 患者の眼の症状にあわせた眼科医療サービスを提供している。中でもグループの中核となる井上眼科病院 は手術や入院、特別外来を受診する患者の受け入れを担っており、年間約6,500件の手術を行っている。

そ して、井上眼科病院から外来部門を独立させて2006年に開設したお茶の水・井上眼科クリニックでは、あらゆ る眼の疾患に対応できる専門外来を設け、全国から来院する患者に対応している。「当院は眼科単科病院で すが、外来の患者さまが非常に多いことが特徴です。お茶の水の2施設で1日に約1,000人の患者さまが来 院されます」と話すのは、井上眼科病院 経営企画部 情報管理課 課長代理の佐野 裕基氏だ。

電子カルテシステムを仮想化基盤上に導入することを決定

井上眼科病院およびお茶の水・井上眼科クリニックで電子カルテシステムを導入するプロジェクトが スタートしたのは2017年10月。そこで課題となったのがサーバーの設置場所であった。データセンターへの 設置やクラウドの利用も検討されたが、電子カルテシステムにはなによりパフォーマンスが重要なため、 WAN回線経由ではパフォーマンス不足になる恐れがある。

そのため院内にサーバーを設置することとしたが、 先行で導入していた西葛西・井上眼科病院では電子カルテシステムのサーバーやストレージ機器などが 42Uのラック3台を利用しており、お茶の水ではそのスペースを確保することが難しいことが分かった。

「そこでシステムを仮想化、集約化する方式を採用することが必須と考えました。数年前までは電子カルテシステムを仮想化することには性能面などで懸念や不安はありましたが、 近年は仮想化技術の向上により不安は払拭されています。仮想化はリソース の有効活用や耐障害性、旧システムの延命でメリットを感じていました」

菅 健太氏 医療法人社団済安堂 井上眼科病院 経営企画部情報管理課 係長

圧倒的なレスポンスの速さで 「Hyperconverged Virtual SAN」搭載のHCIを導入

電子カルテシステムを導入するための仮想化基盤の選定が始まった。「今回 の導入では電子カルテシステムだけでなく医事会計システムや眼科カルテ システムなども仮想化して基盤に載せることになりました」と話すのは、経営 企画部 情報管理課 主任の杉山 直亮氏。パフォーマンス、耐障害性、拡張 性などさまざまな観点で複数の提案から比較検討を実施。採用したのが、 同病院のITパートナーである株式会社ソフトクリエイトが提案した、データを管理 するSDSとしてデータコア・ソフトウェアの「DataCore Hyperconverged Virtual SAN」を搭載したハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(HCI)に よる仮想化基盤である。

H C I ア プ ラ イ ア ン ス で は な くソ フト ウ ェ ア とし て 提 供 さ れ る D a t a C o r e Hyperconverged Virtual SANは、ミッションクリティカル領域で高い実績を 誇る同社のSDS(Software Defined Storage)製品「SANsymphony」の 技術を活用し、高速なI/O処理を実現している。佐野氏は、「採用のポイントは I/Oの速さです。ソフトクリエイトの検証環境で実際にパフォーマンスを確認し、 他のソリューションよりも圧倒的に優れていることが分かりました」と語る。

電子カルテシステムのベンダーからは、眼科単科の病院で外来が1日1,000 名を超えるようなところは前 例がないとの 話を受けていたという佐 野 氏 。 DataCore Hyperconverged Virtual SANのレスポンスの速さ、ハイパ フォーマンスであれば安心して利用できると判断した。

菅氏は、コンパクトな筐体にサーバーを高密度で集約できる点をポイントに 挙げる。「コンパクトかつハイパフォーマンスが発揮できる提案に魅力を感じま した。完全冗長化で耐障害性、可用性も高い構成でした」と話す。今回ソフト クリエイトが提案した構成は、サーバー2台を完全冗長で配置し、ストレージを 仮想化。バックアップ用のストレージも設置されている。

導入決定は2018年4月。そこからサーバー機器の納入やアプリケーション 構築が始まり、2019年1月にカットオーバーした。仮想化基盤の導入を担当したソフトクリエイトの菊池 一裕氏は、「アプリベンダー様やネットワークベン ダー様との打ち合わせの機会を頂きながら、井上眼科病院様の環境に最適 な形で納品できるように調整していきました」と導入を振り返る。

「電子カルテをはじめ、当グルー プの病院システムは今後、仮想化基盤へ移行していきたいと考えています。 データコア・ソフトウェアのHCIのメリットである、ハードとソフトのライフサイクルの 分離による自由度と拡張性の高さを活かし、コスト削減・長期保守を実現して いきたいです」

菅 健太氏 医療法人社団済安堂 井上眼科病院 経営企画部情報管理課 係長

サーバー設置スペースを1/3に、 パフォーマンスも高評価

導入完了以降、Hyperconverged Virtual SANを搭載したHCIは安定 して稼働している。課題となっていたサーバー設置のスペースは、想定していた 42Uラック3台を25Uのハーフラック1台に凝縮できている。パフォーマンスに ついても、「年間30万人近い患者さまが来院されるなかで、数十万件以上のデータを格納している画像ファイリングシステムも遅延なく利用できています」 と菅氏は評価している。

運用管理の面でもメリットはある。コンソールから一括で管理できるため、 運用がやりやすくなるとともに、DataCore Hyperconverged Virtual SAN のメリットが汎用的なIAサーバーで動作し、メーカーや筐体を選ばずに仮想化 基盤を構築できる点であることに触れ、「選定において制約がなくなることで の自由度や拡張性は今後の大きなメリットになります」と菅氏。 杉山氏も「現状で障害は起きていないものの、万一の際にはすぐに検知・ 切り分けが可能なため、運用に安心感がある」と評価している。

導入したソフトクリエイトについても評価は高い。

「導入時には各ベンダーを集め、 綿密な打ち合わせを実施してもらったおかげで安定稼働しています。何らかの問い 合わせをした場合にも真摯に対応してもらっています」と菅氏。それを受け、ソフト クリエイトの置鮎 健一氏は、「今後も独立系SIである当社の強みを生かして、 井上眼科病院様に最適なソリューションを提案していきたいと考えています」と語った。 電子カルテシステムを無事軌道に乗せた井上眼科病院。今後は他のシス テムについても仮想化を進めていく構えだ。

「電子カルテをはじめ、当グルー プの病院システムは今後、仮想化基盤へ移行していきたいと考えています。 データコア・ソフトウェアのHCIのメリットである、ハードとソフトのライフサイクルの 分離による自由度と拡張性の高さを活かし、コスト削減・長期保守を実現して いきたいです」と菅氏は語る。

杉 山 氏も、「 当 院はまだ紙ベースの業 務も多く残っていますので、今 後も 積極的にIT化を進めていきます。その際にはソフトクリエイト、データコア・ソフト ウェアにも支援を期待しています」と今後の展望を語った。